
彼はその夢を叶えた。そしていつの間にか、昔彼がそうだったように多くの若者が彼の軌跡をたどった。彼はタイトルこそ手に入れることは無かったが、それは彼の全盛期にはまだ彼の階級(ライト級)が存在していなかったことによる。熱心なファンによって“無冠の帝王”と呼ばれたこともあったが、しかしそれで決して満足はしなかった。
「実際のところ、全く満足はしていないよ。オレの最高潮のとき、このスポーツは今とは全く違うものだった。タイトル戦なんて夢のまた夢で、いつも自分とは関係の無い所で争われていた。それはオレが決して持つことはない記憶や感覚、チャンピオンの心地…だからオレはチャンピオンになりたかった。もしそれが叶っていたら、いったい皆はどんなふうにオレのことを思い出すのだろう。今とは違うだろうな。」
「VHSを交換して試合を観た世代は、DVDやスマートフォンで試合を観る世代よりもすっとオレのことを知っていると思う。若い世代がオレの試合や功績をかえりみることは無いだろう。それは十分にわかっているつもりだ。結局のところ、それは世代の違いなのだから。オレは昔の人間で、若い彼らには必要無い。でもオレは幸運だと思う。オレの試合を観るためにお金を払ってでも見に来たいと思う人がいたのだから。」
しかし彼の過去を問うことは、問題の一つの側面を照らすことにしかならない。これまで20年間も続けてきたことを諦めさせられて、これから彼はいったいどのように生きてゆけばよいのだろう。
いや、この言い方は厳密には正しくない。なぜなら彼は引退を強制されたわけではないのだから。他のファイターと同様、彼も選択をしたのだ。彼は言う。
「原因はパフォーマンス以外のなにものでもない。」
「一番つらいのは、思ったようなパフォーマンスができないってことだ。何故かわからないが、ジムでできるパフォーマンスが試合ではできないんだ。ジムではあらゆる状況に対応する準備をする。けどそれがケージのなかで上手く発揮されないと、オシマイさ。何がいけないのかわからない。年をとったという実感も無い。10年前と比べても違いは無いはずなんだ。何か良い結果を残したいけど、実際はどうにもならなくて、もうどうしようもない。」
Yves Edwards
doesn't have to go to the gym today, and that is a very strange thing
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